東京・群馬で活動する若手公認会計士

問題の本質はAIJの運用失敗ではなくて・・・

2012.03.06 23:11

AIJ投資顧問の年金資産消失問題で新聞を賑わせている年金制度。

私の過去の経験でちょっとした制度説明(具体例)を。

とある会社は3階建の企業年金制度でした。
1階部分は国民年金、2階部分は厚生年金、3階1層部分は税制適格退職年金(適年)、3階2層部分が確定給付型企業年金。

・国民年金及び厚生年金は会社員であれば受給できるもの(会社員の基礎年金)
・適年は過去の税制の賜物で、生命保険会社等に毎年拠出金を支払い(当該拠出は税務上損金になる)、退職時に従業員に一時金(年金も選択可能)として生命保険会社等から
従業員に直接支払われるもの
・確定給付型企業年金は現在一般的な形の企業年金(一般的には過去厚生年金基金であり、それを解散・代行返上して移行。この時、厳密にいえば、上記の適年は閉鎖適年となり、当該時点で
支払額が確定)

とある会社は『○○企業年金』として担当者を1名設置。当該担当者が信託銀行の担当者と連携しながら受給者の管理や運用、会計処理のデータ収集まで包括して担当していました。
その担当者は特に運用のプロでもなく、年金のプロでもなく、おそらく担当当初は思考錯誤だったと思います。

さすがに運用方針等はきちんと周囲からの監視の芽があったので、一存で決定していたわけではありませんが、1人で何もかも管理している印象でした。

周囲からの監視がなければ、投資一任契約締結を薦められたらそうなってしまうかもしれません。

当該会社はかなり高い利回りの設定で年金を運営していたので、他の企業年金がそうしていたようにキャッシュバランスプランへの移行を行い、給付額の抑制を達成していました。

しかも、代行返上を行ったのは平成15年くらいだったと思います。

要は何を言いたいかというと、きちんと問題意識を持っている会社は早々と厚生年金基金を解散して代行返上を行い(巨額の代行返上益を計上)、その後は利回りの固定化を避けるような
受給水準に企業年金制度を変更させています。

今回の問題の本質は『AIJの運用の失敗』ではなく『臭いものに蓋をする的な考えで問題を先送りしてきた厚生年金基金がまだまだ沢山ある』ということだと思います。

まあ、究極をいえば、国民年金の話にまでなるのだと思いますが。

こちらはあまりに話が壮大過ぎる。。

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